事務職だってキャリアアップ!4つの選択肢とキャリアアップの実現に必要なこと

2025年5月5日

今後のキャリアを考えたとき、事務職は一般職扱いだから、出世はできない・キャリアアップはない、と考える方も少なくありません。

しかし、キャリアアップは管理職に就くことだけではありません。
仕事の幅を広げたり、より専門性の高い仕事に挑戦したりすることも、キャリアアップのひとつです。

キャリアアップを考えるなら、自分に合う方向性を見つけてキャリアパスを考えましょう。

今回は、事務職のキャリアアップをテーマに、どのような選択肢があるかとキャリアアップに向けた具体的な行動を解説します。

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事務職のキャリアアップとは?考えられる4つの選択肢

「キャリアアップ」という言葉を耳にしたとき、多くの人は「昇進して管理職になること」を最初に考えるでしょう。
たしかに、役職者になって部下を持ち、裁量を増やすことはキャリアアップといえます。

ただし、事務職は一般職として扱われ、管理職に就けない企業も存在します。
この場合、事務職で働く人は役職者に昇進できません。
事務職は、キャリアアップする方法がないように感じられます。

一般職・総合職の区別がなく、事務職でも出世して管理職に就ける職場もあるでしょう。
この場合、努力次第で管理職になる道が開けますが、役職に就くことで責任が増え、業務負荷が増す可能性があります。
一方、業務負荷を増やしたくないので、出世したくないと考える人もいるものです。

しかし、キャリアアップは出世して、管理職になることだけを指すわけではありません。
たとえば、以下のような変化もキャリアアップに含まれます。

キャリアアップの例
  • 担当業務の幅を広げる
  • 担当業務の専門性を高める(経理・総務・労務など)
  • チーム内のまとめ役になる
  • スキルや経験による評価から年収をアップさせる
  • 他部門・他職種に異動または転職する

同じ職場内で志すキャリアアップの形もあれば、職場を変えてステップアップしていくキャリアアップもあります。
事務職で働く方がキャリアアップを考える場合、管理職に就くことだけにとらわれず、さまざまな形でのキャリアを視野に入れて考えましょう。

同じ職場でスキルを深める「専門職型キャリア」

管理職にならなくても、現在の職場でスキルを深め、不可欠な存在となることは、立派なキャリアアップといえます。

たとえば「経費精算の精度とスピードが社内随一」「業務マニュアルの整備を任されている」といった、実務面で信頼を獲得する状態を指します。

スキルを深める専門職的なキャリアは、転職市場でも「即戦力」として高く評価されやすい傾向です。
安定したキャリア形成につながり、自身ややりがいももたらすでしょう。

昇進・昇格を目指す「管理職型キャリア」

事務職も主任・係長・課長などの役職を用意し、経験や実績次第で昇進できる企業も存在します。
こうした企業で働いている事務職の方なら、昇進・昇格を目指すキャリアプランを考えることが可能です。

役職に就くと年収が上がり、部下の指導やチーム運営など、仕事の幅も広がります。
責任も増え、業務負荷が増しますが、自分の能力を示したいなら挑戦しても良いでしょう。

他部門・他職種へチャレンジする「異動型キャリア」

今の部署で成長の限界を感じているなら、思い切って別の部署や職種へ異動し、新しいキャリアをスタートさせるのもキャリアアップの方法です。
社内異動が可能な企業に限定されますが、行き詰まりを感じているなら異動型キャリアを模索するのもおすすめです。

事務職のなかにも、さまざまな部門があり、仕事内容は同じではありません。
現在の業務内容に面白みを感じない・やりがいがない、でも事務職の仕事で働きたいと考えるなら、部署異動してキャリアアップする方法もあります。
経理や人事、法務など、自分の適性ややりたい仕事を考えて異動を検討してみましょう。

あるいは、事務職ではない職種に挑戦し、新しいキャリアを切り開くのもキャリアアップといえます。
営業事務の経験を生かして営業職に異動、事務スキルを活かして企画や広報に異動などが考えられます。

転職でステージを変える「外部ステップアップ型」

「他部門・他職種に異動したいけれど、社内異動制度がない」
「そもそも今勤めている企業に将来性が見いだせず、キャリアプランを描けない」

そのように考えているなら、転職してステップアップするというキャリアアップ方法もあります。

たとえば、より規模が大きく、待遇や評価制度の整った企業の事務職に転職できれば、収入アップ・役割の向上といったキャリアアップが可能です。
社内異動制度がなく、事務職からほかの職種に転向したい場合も、転職は有効な方法です。

ただし、転職にはリスクを伴います。
好条件な求人は採用倍率が高くなり、希望通りの転職を叶えるのは困難です。
安易に転職し、以前よりも待遇が下がることのないよう、自己分析や業界研究をしたうえで挑戦しましょう。

事務職がキャリアアップを叶えるために!今すぐできる5つの行動

キャリアアップを実現するには、目指す方向を決めたうえで、必要なアクションを起こすことが大切です。

思い描くキャリアアップを叶えるために、何が必要かを考えて行動に移しましょう。

自分のキャリアビジョンを明確にする

まず取り組むべきは、「自分がどのような働き方をしたいのか」を明確にすることです。
「専門スキルを深めてスペシャリストを目指したい」「社内で頼られる存在になりたい」「将来は他社に転職したい」など、方向性は人によって異なります。

キャリアビジョンが定まれば、今やるべきことを明らかにでき、行動に移しやすくなるでしょう。
実現するために必要なスキルや経験を見定め、目標達成への道筋を立てられます。

業務を改善・効率化し「できる人」として信頼を得る

業務の改善や効率化に向けて取り組み、結果を出していると周囲からの信頼を得られます。
信頼は人事評価にもプラスの影響を与え、キャリアの幅を広げるきっかけとなるでしょう。

「この人がいると助かる」「あの人はもっと上の立場になってほしい」と思われる存在になり、キャリアアップへの道を切り開きましょう。

ITスキルを強化し、事務の付加価値を高める

現代においてITスキルは、業種・職種を問わず求められる能力です。
特に事務職は「あると良い」ではなく「必須のスキル」といえるでしょう。

キャリアアップを考えるなら、ITスキルの強化も重要です。

たとえば、Excelを使う頻度が高いなら、関数やピボットテーブルを使いこなし、グラフ作成もできると自身の付加価値を高められます。

最近は、Google Workspaceの共同編集機能やChatGPTを使った文書作成補助など業務に取り入れているケースもあるでしょう。
新しいツールも積極的に活用し、使いこなせる存在になれれば、評価を高められます。

資格取得・学習でスキルを身につける

キャリアアップを後押しするスキルは、目に見えない存在です。
資格取得や検定に挑戦し、合格することで、対外的にスキルレベルを証明できます。

事務職の業務に直結し、評価につながりやすい資格には、以下のものが挙げられます。

  • 日商簿記:経理・会計に携わるなら2級以上が目安
  • MOS(Excel・Word):事務作業に必須のPCスキルを証明
  • 秘書検定/ビジネス実務法務検定:ビジネスマナーや法務知識を問われる業務で有効

資格を持っていたり、検定の合格歴があったりすると、部署異動や転職時にも有利です。
自身の能力を示すアピール材料となり、「学ぶ意欲がある人」として信頼されやすくなります。

上司・人事にキャリア志向を伝える

努力していても、「キャリアアップを目指している」ことが周囲に知られていないと、チャンスを逃す恐れがあります。
特に上司や人事部門の人間には、挑戦したい業務やキャリアビジョンを伝えておくほうがよいでしょう。

評価面談の場を活用して、思い描くキャリアを伝えましょう。

まとめ

キャリアアップと聞くと、出世して役職者になることをイメージしがちですが、それ以外の選択肢も存在します。

  • 自身のスキルを深める
  • 昇進・昇格して管理職に就く
  • 他部門・他職種に異動する
  • 転職してステップアップする

一般職として扱われ、昇進・昇格の機会がない事務職の方は、それ以外の選択肢から、キャリアアップを考えてみましょう。

希望するキャリアが見つかり、実現したいと考えるなら、適切なアクションが必要です。
キャリアビジョンを明確にして自身の評価を高め、上司や人事にキャリア志向を伝えましょう。

この記事を書いた人
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事務たぬき

事務歴十数年のたぬきです。
就職氷河期で苦しみ、合わない仕事に疲れ、転職して事務職に就くも会社倒産。再就職先がブラック体質で心を病み……持ち直して事務の派遣で仕事に復帰したのち直接雇用となるも、仕事量と給与のバランスに納得できず、組織に属することを諦めました。
現在、フリーライターとして死なない程度に生きてます。

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