事務職もAIを活用して業務効率化!活用例や学習方法をご紹介
chatGPTが一般公開されて以来、生成AIツールは随分身近な存在になりました。chatGPTを使ったさまざまな便利ツールが開発され、競合モデルとなるAIも登場しています。
その結果、「今の仕事がAIに取って代わられるのではないか」「自分は不要な存在になるのではないか」など、不安を感じる人もいるかもしれません。特に、生成AIを使えばデータ入力や文章作成などの業務はすぐに完了します。
こうした仕事をメインにしている事務職の人は、AIの存在が自身の仕事を脅かすと考えても無理ないことです。しかし、事務の仕事をすべてAIで代替できるとは限りません。
AIを導入して業務の効率化、自動化を図っても、内容に間違いがないか、適切に処理できているかの確認は人がするべき仕事です。AIは仕事を奪う脅威ではなく、自分の仕事を助けてくれるツールであると考え、事務の仕事にもAIを活用してみましょう。
事務の仕事にもAIは活用できる!
近年、AIがもてはやされていますが、活用するにはAIがどのようなもので、何ができるのかを正しく知る必要があります。そして、AIを理解すれば事務の仕事にも活用できます。
そもそもAIって何?
そもそも、AIとは何なのでしょうか?
AIとは人工知能(Artificial Intelligence/アーティフィシャル インテリジェンス)の略称です。技術の進歩により性能が向上したコンピューターは、人間のように学び・考える能力を持ち、物事を認識して予測や判断、提案などができるようになりました。
2022年にアメリカのOpenAI舎が開発した「chatGPT」が登場したことは、記憶に新しいのではないでしょうか。質問を入力すると、chatGPTはすぐさま回答してくれるので、調べる手間を省けます。
chatGPTを元に、特定分野に特化した生成AIツールも展開しており、他社もchatGPTの競合となるAIを開発しています。
文部科学省「AIってなに?」
ほくかだい辞典「AI(人工知能)とは?歴史や仕組みまでわかりやすく解説!」
AIを活用したら事務職は不要な存在になる?
AIを活用すれば、業務の効率化、自動化が可能です。
音声データの文字起こしや文章の要約に対応するAIツールを使えば、会議の議事録をスムーズに作成できます。質問に対する回答ができる点を利用すれば、顧客からのメール問合せを自動化することも可能です。リストにあるデータを所定の形式に入力し直す作業も、AIを使えばすぐに終わります。
その結果、事務職で対応していた業務が省力化あるいは削減され、人員を減らされる可能性はあるでしょう。
しかし、事務職の仕事は書類作成やメール返信、データ入力だけではないはずです。AIでは代替できない仕事もあるでしょう。AIの判断や提案内容が常に適切なものとは限らないため、チェックするのは人間の仕事です。
AIに事務の仕事を奪われるのではなく、AIとの協働でより高度な仕事ができる自分を思い描き、AIを活用できる人材になりましょう。
事務職がAIを活用するメリット
では、事務職がAIを活用すると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
- 業務の効率化、自動化
- 人的ミスの削減
- 新たなスキルの習得
時間がかかっていた業務をAIにより効率化、自動化できれば、他の業務に時間を割けるようになります。AIでは対応できない同僚や後輩、部下のフォローに回ったり、より良い職場環境を整えたりする時間を持てるでしょう。
人の手で行っていたデータの入力、更新などの作業は、AIを活用した自動化が向いている業務です。人の手でやっているとミスが発生しますが、パターンの決まっている単純作業ならば機械に任せたほうが正確にできます。
こうしたAIを実務に活用するスキルが身につくと、新しいキャリアパスにもつながります。
AIを活用した事務職の業務効率化
データ入力や処理の自動化
手書きのメモや紙の書類にある内容をデータ化する際、手動での入力ではなくAIを活用して自動化することもできます。
メモや書類をスキャンし、画像内の文字をテキスト化して該当箇所に入力するAIツールが登場しています。
文書作成の自動化
面倒な文書作成をAIにサポートしてもらうことも可能です。
会議の音源データを文字に書き起こし、内容を要約するAIツールを活用すれば、議事録作成の時間を大幅に短縮できます。資料をまとめる際も、AIに内容を伝えて草稿を作ってもらえば、イチから書き始めるよりも省力化できるでしょう。
顧客へのメール対応にも、AIは役立ちます。問い合わせ内容への回答文を作成してもらえば、返信までに要する時間を短縮できます。
事務職がAIの使い方を学ぶには?
AIを使ったツールの多くはまだ、一般に広まってから日が浅いため、学習方法が確立されていない部分があります。使い方を学ぶには、実際にツールに触れ、情報を集めることが大切です。
簡単なツールに触れて学ぶ
AIと聞くと、扱うには高度な知識や技術が必要に感じるかもしれませんが、簡単で身近なところにもAIを使ったツールは存在しています。
企業が提供するサービスの紹介ページで、質問内容を入力すると回答を返してくれるチャットボットが設置されているのを見たことはないでしょうか? 実は、チャットボットもAIの技術を使ったツールです。
画像検索やスマートフォンに搭載されている画像認識ツールもAIによるものですし、ビジネスシーンで使われているMicrosoft WordにもAIツールが実装されるようになりました。
このように、ごく身近なところにもAIツールに触れられる環境ができている状態です。
「難しそう」と思わずに、まずは身近なAIツールに触れて、どのようなことができるか・どのように操作すれば思った通りに動くのかなどを検証してみましょう。
オンラインで情報収集する
AIの技術は日々進歩しており、新たなツールが次々と登場しています。そうした情報を一番早く入手できるのはオンラインです。ほしい情報を集約・解説した書籍が発行されるまで時間がかかるため、早く情報を得るならオンラインの活用が必須といえます。
「AI入門」「AIで業務効率化」など、関連する単語を入力して、AIについて知りたい情報を集めましょう。視覚的に情報を得られて理解しやすいため、実際に使用した例を紹介する動画を見るのもおすすめです。
ただし、オンライン上にあふれる情報は玉石混交です。なるべく信頼できる企業や専門機関が発する情報を参考にし、情報の選別を心がけましょう。
社内研修を実施する
社内や部署内でAIの導入・活用を推進したいなら、社内研修を実施しましょう。全員が一定の知識を持つようになれば、AIを使った業務効率化をスムーズに行えます。
事務職がAIを活用する際の注意点
AIは便利な反面、使うときには注意すべき事柄があります。適切に使用しないと、思わぬトラブルを引き起こす恐れがあります。
使うときは社内ルールに気をつける
どのAIを使用するかにもよりますが、外部ツールを使うときは社外秘情報の取扱に注意しましょう。
自社で運用し、社内のみで利用してるAIツールがあり、業務での使用が許可されているなら問題ありませんが、chatGPTのように他社のツールを使う場合は注意が必要です。与えた社外秘情報からAIが学習し、第三者に社外秘情報を知られる恐れがあります。
外部ツールを業務で使う際、会社の許可や申請が必要ならルールを守りましょう。「大丈夫だろう」と、安易に無断で社外秘情報を外部ツールへ流すと、のちのち重大なトラブルを招く恐れがあります。
AIが常に正解を出すとは限らない
AIは学習内容から判断して回答します。与えたデータを規則に従って並べ替える、該当するデータを探しですなどの作業は容易にできますが、十分な学習ができていない分野のことは正確に回答できないかもしれません。学習できている分野であっても、例外的なこと、特殊なことがある場合も同様です。
AIを活用して業務を自動化しても、チェックは怠らないようにしましょう。
たとえば、顧客からの問い合わせメールへの回答文をAIで作成していた場合、出てきた回答文をそのまま採用するべきではありません。かならずチェックし、問い合わせ内容に対する適切な回答ができているかは人間が判断するべきです。
AIはあくまでも作業補助ツールであり、業務をすべて任せられる存在ではないと認識しましょう。
まとめ
AIが身近で一般的なものになれば、さまざまな業務が効率化されます。そのため、仕事がなくなるのではと不安になる事務職の人もいるかもしれませんが、AIでは対応できない業務もあるため、必要以上に恐れることはありません。
AIを活用して効率化し、よりレベルの高い仕事ができる人材になることを目指しましょう。
AIの活用方法を学ぶなら、まずは簡単なツールに触れ、どのようなことができるのか、どのように指示を出せば思った結果が返ってくるかを実践するのがおすすめです。
事務歴十数年のたぬきです。
就職氷河期で苦しみ、合わない仕事に疲れ、転職して事務職に就くも会社倒産。再就職先がブラック体質で心を病み……持ち直して事務の派遣で仕事に復帰したのち直接雇用となるも、仕事量と給与のバランスに納得できず、組織に属することを諦めました。
現在、フリーライターとして死なない程度に生きてます。
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