事務職が評価されるには成果の見える化が重要!見える化実践テクニックをご紹介

事務職は売上や提案件数など、具体的な数値目標が立てづらく、人事評価の基準があいまいになっているケースも珍しくありません。
人事評価制度があり、評価シートを使って目標設定と達成状況の報告をしていても、上司が“なんとなく”で評価してしまうケースはあるものです。

「頑張っているのに、評価されていない気がする」
「この仕事で頑張る意味はあるの?」

……などと、不満や不安を感じる事務職の方もいるのではないでしょうか?

事務の仕事はわかりやすい数字で示しにくい部分があるため、成果を見える化しないと評価につながづらくなります。
自身の評価に対して不満がある事務職の方は、成果の見える化を実践してみましょう。

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事務職の仕事は成果が見えない?

事務職の人が対応する仕事は定型業務が多く、日々の努力が埋もれやすいため、成果を出していても他者からは見えづらい部分があります。
「やって当たり前」と見なされる業務も多く、評価者にあたる上司が業務の全体像を把握していないこともあるでしょう。

結果、頑張っていても評価されない、成果が伝わらずやりがいを感じられない、といったことにもつながってしまいます。

努力が評価につながっていないと感じる事務職の方は、仕事の成果を見える化し、周りに伝える工夫が必要です。
「地道に頑張っていれば、いつか評価される」「頑張りを見ている人はどこかにいるはず」などと考え、ひたすら頑張るだけでは得策といえません。

仕事の頑張りや成果が評価につながっていないなら、成果をわかりやすくアピールするため見える化に取り組みましょう。

事務職が成果を見える化する5つのメリット

事務職の仕事において、成果を見える化すると、以下のメリットを得られます。

  • 上司に自分の働きぶりを伝えやすい
  • 自分の仕事に自信が持てる
  • 業務改善のヒントを得られる
  • 自分の働きを守る「防御策」にもなる
  • 異動・転職時のアピールに使える

1. 上司に自分の働きぶりを伝えやすい

成果を定量的・客観的に見える化できれば、上司に「働きぶり」を伝えやすくなります。

電話対応や書類作成、データ入力、会議の準備などの業務は「やって当たり前」と見られやすいのが実情です。
対応していた人がいないとき、はじめて「あの人がいつも対応していたからスムーズだったのか」と、判明するケースもあります。

いなくなってから存在の重要性が認知され、評価されたいと考える人はいないでしょう。
多くの人は職場に在籍しているときに評価され、周囲からの信頼獲得や給与がアップなどを実現したいと考えるはずです。

それには、自身がどんな仕事を受け持ち、職場で貢献しているかを成果として伝えなければなりません。
見える化した成果を伝えれば、上司が人事評価する際も「これだけ貢献しているなら評価を上げなければ」と、納得して対応できます。

2. 自分の仕事に自信が持てる

事務の仕事は煩雑な作業も多く、雑務に追われる毎日では、自分が何を達成したかがわかりにくくなります。
そんなとき、自身の成果を見える化しておくと、仕事への自信につながります。

たとえば、週ごとに対応した業務を記録しておくと良いでしょう。

例:20xx年x月x(月)~x月x日(金)の主な対応業務

  • 書類作成 ○件(営業担当:××さん分、△△さん分)
  • クレーム報告 ○件(**は~~に問い合わせ中)
  • 業務システムリプレース会議への出席(◇◇の要望を伝える)
  • 備品の在庫整理および発注先リストの更新

こうした記録があると、具体的にどんな業務をしていたかがわかり、後日振り返る際にも役立ちます。
対応業務に対するフィードバックや、改善点、受け取った感謝の声などもまとめておくと、業務の進捗を確認できるでしょう。
「これだけのことをやってきた」と、自信も持てるようになり、仕事のモチベーションを維持できます。

3. 業務改善のヒントを得られる

成果を見える化する課程では、業務の流れを整理し、数値化していく作業が生じます。
その際、業務フローのムダを発見したり、負荷の高い業務に気づいたりと、業務改善のヒントを見つけることもあるでしょう。

自身の業務を見直す機会となり、作業の効率化に役立ちます。
見える化は、他者からの評価を高めるだけでなく、自身のスキルアップや負担の逓減にもつながる行動です。

4. 自分の働きを守る「防御策」にもなる

成果の見える化は、自身の働きぶりを他者に伝えて評価を獲得したり、業務改善につなげたりといった「攻めの対策」のみならず、「防御策」としても有効です。

例えば「事務職はいつも同じルーティンだから仕事量が少ないはず」と思われていたとしても、取り組んでいる業務を記録として残していれば誤解を正せます。

あるいは、取り組みが実を結び、具体的な成果として現れた際、最終工程で対応した人に成果をすべて持っていかれるのも防げるでしょう。
「ここまでは自分が対応してきた業務である」と示す根拠として、見える化は役立ちます。

5. 異動・転職時のアピールに使える

異動希望や転職活動においても「どんな成果を出したか」は重要なアピール要素です。
過去の成果を記録し、見える形で蓄積すれば、面接や自己紹介の場面で説得力ある説明ができます。

「頑張ってきました」「周りの方の役に立てるよう働いてきました」といった内容では具体性に欠け、自己アピールとしては弱い印象です。
感覚的な説明ではなく、具体的な数値を示して伝えるほうが理解されやすく、実力を訴求する際にも有効です。

自分のやってきたことについて、数字を交えて説明する際にも、成果の見える化は役立ちます。

成果を見える化する3ステップ

事務職として仕事で評価されるには、成果の見える化が大切であるとお伝えしてきました。

では実際に、見える化を実行するには、どうすればよいのでしょうか?

3つのステップに分けてご紹介します。

ステップ①:業務内容から見える化すべき成果を整理する

まずは、自身が普段行っている業務を、どのような切り口で数値化してて成果を見える化するか整理します。

事務職の業務内容ならば、以下の切り口が見える化しやすいでしょう。

成果の切り口具体例
処理量の多さ書類作成の対応数、受電件数、データ入力件数 など
時間短縮・効率化書類作成時間の短縮、自動化による工数削減 など
正確性・安定性ミス件数の削減、二重チェック体制の整備 など
業務改善・マニュアル化属人業務の標準化、後輩教育用の手順書作成 など
他者貢献・調整力他部署との調整件数、トラブル対応数、感謝の声 など

すべてを一度にやる必要はありません。
自身が対応する業務のなかで、ウエイトの大きいものから整理し、数値化を試みると良いでしょう。

ステップ②:成果を記録・集計する

見える化したい業務が決まったら、日々の成果を記録し、定期的に集計しましょう。

記録・集計にはツールを活用するとスムーズです。

記録方法の例
  • Excelやスプレッドシートを使って1日の処理件数・所要時間を記録
  • メモアプリにトラブル対応・進捗状況を記録
  • 業務日誌や週報に数値化した業務内容を記録

記録がたまったら週ごとや月ごとに振り返り、成果を集計して検証します。
以前と比較して、対応件数の増減があるなら、その要因を考えることも大切です。

ステップ③:数値として見える化した成果を伝える

成果を記録しただけでは評価につながらないため、周囲に伝えることも必要です。

半期ごとや年度末のタイミングで人事評価があり、上司に目標達成について伝える機会があるなら、その場を活用しましょう。
上司に直接伝えるのではなく、人事評価システムに入力する方式をとっている職場もあるでしょう。

いずれの場合も、成果を伝える際は、事実→行動→効果の順で伝えると、相手の理解と納得を得やすくなります。

成果報告の例

取り組み前の事実:見積書作成に平均20分かかっていた  
行動:テンプレート化により平均10分に短縮  
効果:月平均15件対応×10分短縮=月150分の業務効率化  

【ケース別】業務タイプに合った見える化の工夫例

事務職の仕事をしている人も、それぞれ業務タイプが異なります。
業務タイプごとに有効な見える化方法について、いくつか例を挙げて紹介します。

定型業務が多い

担当する業務のうち、定型業務が多い場合は、件数や処理スピードの記録を記録して見える化すると効果的です。

例えば、Excelを使って週次の対応件数をまとめ、グラフ化すると成果が伝わりやすいでしょう。

他部署と関わる業務が多い

他部署と関わる業務が多いなら、調整件数や依頼対応件数を記録し、どの部署との対応を何件処理したか記録しましょう。

件数だけでなく、対応後に感謝されたメール・チャットのスクリーンショットを保存しておくと、他者からの評価も記録として残せます。

業務改善や仕組み化に関わっている

業務の改善や仕組み化に関するプロジェクトに携わっているなら、Before/Afterを記録して効果を定量化しましょう。
マニュアルやチェックリストの作成も立派な成果です。

どのパートに自分が関わり、意見が反映されたヵ所はどこか、その結果どんな影響をもたらしたかなどを具体的に伝えられる状態にしましょう。

評価アップにつながる成果を見える化しよう

努力して成果を出していても、残念ながら見えるようにして伝えなければ評価につながりません。
特に事務職は、数字に見える成果を出しにくいため、頑張っていても評価されないことがあります。

「自分の努力を見てくれている人はいるはず」
「真面目に頑張っていれば、いつか評価されるだろう」

といった、根拠のない期待を頼りにしていたのでは、立ち回りが上手い人に成果を横取りされる恐れもあるでしょう。

自分のやってきたことをきちんと評価してもらうには、成果を見える化して伝える工夫が必要です。
自身の取り組みを数字に落とし込み、記録して、成果の見える化に取り組みましょう。

小さな記録を付けることからでも、始める価値はあります。
成果を見える化して伝え、評価アップを実現しましょう。

この記事を書いた人
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事務たぬき

事務歴十数年のたぬきです。
就職氷河期で苦しみ、合わない仕事に疲れ、転職して事務職に就くも会社倒産。再就職先がブラック体質で心を病み……持ち直して事務の派遣で仕事に復帰したのち直接雇用となるも、仕事量と給与のバランスに納得できず、組織に属することを諦めました。
現在、フリーライターとして死なない程度に生きてます。

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