事務職は評価されない?その理由と頑張りを評価してもらうための打開策を解説

事務職で働いている方は、仕事で評価されていないと感じるシーンもあるのではないでしょうか。
実際、SNSや口コミ情報などを見ていても、「評価されない」と感じる事務職の人は多い印象です。

事務職で評価されないと感じる場合、原因はあなたの個人だけにあるとは限りません。
事務職が評価されないと感じる背景には、構造的な問題も含まれます。

この本記事では、事務職が評価されない理由や、頑張りを評価してもらう方法を紹介します。

事務職が評価されないと感じる理由

なぜ、事務職は評価されないと感じる人が多いのでしょうか。
そこには、事務職ならではの構造的問題があると考えられます。

担当業務が直接的な売上や業績に結びつきにくい

企業の評価制度は、わかりやすく数字に現れる成果に引っ張られがちです。

営業成績や売上件数、対応件数、企画の成功具合、顧客満足度などの数字は、売上や業績に直接結びつけられます。
そのため、営業部門や販売部門、企画部門などはわかりやすい評価材料があるため、成果に応じた評価が受けやすい状況です。

めざましい成果が数字に現れていれば、人事評価でも優先的に評価アップがなされるでしょう。

一方、事務職は社内業務を円滑に回す、間接部門として機能しています。
事務職の働きが、売上や業績に直接影響する機会は少ないでしょう。

そのため、評価対象として優先順位は下がり、頑張っていても評価が後回しにされる恐れがあります。
結果、評価されていないと感じるわけです。

成果を数値化して表しにくい

成果が数字として見える職種は、評価されやすい傾向です。
事務職も働きぶりを数値化して成果を伝えられれば、評価されやすくなるかもしれません。

しかし、事務職が受け持つ業務の多くは、売上や契約件数のような分かりやすい成果指標を持ちません。

そのため、多くの業務を正確にこなしていても、傍目には仕事の量や質が見えにいのが実情です。
事務職で成果をわかりやすく伝えたくても、数値化しづらい側面があります。

事務職の成果を数値化して表わすには、工夫が必要です。

仕事の内容や範囲が周囲から見えにくい

事務職の仕事内容や範囲が、周囲からは見えにくい点も、評価されにくい状況を強めています。

「事務の仕事」と一括りに表現されがちですが、事務職が担当する業務は多岐に渡り、突発的な対応や裏方業務が含まれることもあるでしょう。
一見、単調そうな業務のなかにも専門性があったり、経験やスキルのある人でなければ対応しきれないことがあったりもします。

それでいて、実際にその業務に関わる機会がない他部門や上司には、その業務の重要性や負担度合いが伝わりづらい一面があるのも事実です。

結果、業務の実態を理解されないまま評価を受けることとなり、単純作業と誤解されるケースも少なくありません。

ミスなく当たり前が前提になりやすい

事務職の仕事には正確さが求められ、ミスなく処理されて当然のルーティン業務と思われがちです。

「期日通りに書類が仕上がって当たり前」
「依頼した入力業務はすぐ終わって当然」
「備品は常に必要数が揃っているもの」
などと考える人も多いでしょう。

しかし、そんな当たり前の状態を維持するにも、確認作業や地道な対応が発生しており、けして誰でも当たり前にこなせるとは限りません。
にも関わらず、当たり前の状態を維持するための努力は成果として認識されにくいのが現状です。

平常の維持はプラス評価にならず、問題が生じて業務が滞るとマイナス評価が下されてしまい、評価されにくい構造を作り上げています。

事務職で働く人が評価されるために必要なこと

事務職で働く人が評価されるには、評価されにくい理由を理解し、評価されやすい状態を作るアクションが必要です。

面倒に感じるかもしれませんが、仕事で評価されないと感じ、モチベーション低下や転職を考えている事務職の方は実践してみてください。

日々の業務内容や量・質を数値化して記録する

業務内容や量・質を周囲の人が認識していないと、事務職が評価されないと感じる原因のひとつ。
まずは日々の業務を記録し、何を・どれだけ・どのように行ったか、言葉で整理しましょう。

数値で表せる内容(処理件数、作成資料の数、対応時間など)は積極的に数値化し、可視化することで説得力が増します。

日常の業務に記録作業が加わるのは手間ですが、こうした記録は自身の業務を振り返る際にも役立ちます。
目標設定や自己評価を提出する際も、数値化したデータが手元にあれば、スムーズに進められるでしょう。

上司や周囲に定期的に伝える機会を持つ

日々の業務を数値化して記録する習慣ができたなら、上司や周囲に伝える機会を持ちましょう。
記録を付けていても、内容を伝えなければ評価にはつながりません。

週報や月報、1on1などの機会を活用して、業務の成果や工夫点をきちんと伝えることが大切です。

「忙しい上司への報告は気が引ける」「働きをアピールするのは鬱陶しく思われそうだ」などと考える人もいるかもしれません。

しかし、業務の報告はアピールではなく、組織内におけるコミュニケーションのひとつです。
上司は部下がどのような業務に取り組んでいるか把握する必要もあるため、数値化した記録を活用して仕事内容を伝えましょう。

定型業務に加えて改善提案も行なう

仕事で評価される人は、与えられた業務だけでなく、よりよくするための工夫をしているものです。
業務を数値化して記録し、上司への報告をする際、解決したい課題があるなら改善提案も行いましょう。

改善提案は、大がかりな内容である必要はありません。
むしろ、普段の業務にプラスして個人で実行できる改善のほうが費用もかからず、上司も後押ししやすいでしょう。

たとえば「作業手順を見直して効率化する」「マニュアルを整備して属人化を防ぐ」といった取り組みは、会社にとって価値のある内容みです。

こうした姿勢を見せることで、上司から加点評価につながります。

社内での信頼関係を築く

ここまで、成果を数値化して伝えることで評価されやすくなるとしてきましたが、数値以外にも評価を得やすくするために必要なことがあります。

それは、日々の仕事とコミュニケーションから構築される信頼関係です。

数字のうえではたくさんの成果を出していても、周りへの気遣いやサポートを怠ったり、業務の足並みを乱す行動をしたりしていると、周囲の印象を悪くします。
挙句、数値化した成果にだけこだわる人と受け取られ、良い評価を与えたいと思われなくなるかもしれません。

周囲のサポートに自然と手を貸す、誠実なやり取りを心がけるなどを積み重ね、「仕事ができる人」という印象を獲得しましょう。

「あの人がいて助かっている」「あの人はもっと評価されるべきだ」と思われるような職場の信頼関係ができれば、上司からの評価にもつながりやすくなります。

事務職で評価されるには成果を伝えることが必要

事務職は構造的に評価されにくい職種です。

「事務職で働いているけれど、いまひとつ評価されない」
「この仕事ではモチベーションを保てない」
などと感じているなら、評価されるための工夫が必要です。

数字に表わしにくい業務だからこそ、仕事における事務職の成果は、見せ方・伝え方の工夫が必要です。
評価されやすい状態を作り、自己実現を叶えましょう。

この記事を書いた人
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事務たぬき

事務歴十数年のたぬきです。
就職氷河期で苦しみ、合わない仕事に疲れ、転職して事務職に就くも会社倒産。再就職先がブラック体質で心を病み……持ち直して事務の派遣で仕事に復帰したのち直接雇用となるも、仕事量と給与のバランスに納得できず、組織に属することを諦めました。
現在、フリーライターとして死なない程度に生きてます。